今年も成功大学 工業設計系 張 淳翔さんが3週間の研修を行いました。課題を理解しつつ、自らの発想で造形をイメージしてもらいます。弊社デザイナーとの会話を通してアイデアを洗練させ、最後はクレイで表現します。
自分の手を使って物をつくることは、新しい発見を生む機会となります。自分の手なのだから思いどおりに動くと思いがちですが、実はそうではありません。またスケッチ通りに造形しても、多くの場合は納得いかないものです。
そこで自分の「頭」と「手」による格闘がはじまります。悩みながら手を動かすことで表出するカタチ、それを見ながらさらに考え、手を動かす。この繰り返しから最初は想像しなかったカタチを見つけ出すことがあるのです。驚きを伴いながら。
このような過程を経て、スケッチにはない情報がクレイに込められ、見るものを魅了し、思わず触ってみたくなるような『感触の美』をつくることが出来ます。このような方法で、我々は数多くのプロダクトを生み出してきました。
現代のデザイン開発においてデジタル3Dソフトは必須ですが、このアナログ的感覚とデジタル技術の融合によって、これからも魅力的な造形が生まれるのではないでしょうか。学生の方にとっても、これは貴重な体験であると思っています。