column 日々、思うこと separate

2024.02.05

コラム

モノづくりの原型を求めて

2021年からモノづくりコミュニティを運営している。そもそもなぜそんなことやるのか?複合的視点が絡み合い至った考えだが、50年も昔に実践している方がいることを友人から勧められた本で知った。その方を勝手に先輩と呼び感動したのと同時に、50年も変化なしと落胆も。

今日モノづくりは、考える人・つくる人・売る人・つかう人と分業化し、それぞれが自分の利得だけを追求するが故に、本質から外れた配慮の足らない製品を生みだした。工業製品に携わる者として心苦しく感じる。人にとってのモノづくりとは、本来、自分に必要なモノを工夫しながら必要なだけ自分でつくるということだ。その原型を求めモノづくりの仕組みを再構築しようとしたのがこのコミュニティ。

異なる専門性を持つメンバーが集まり、アイデアや経験を共有し合い、協力してプロジェクトに取り組む。メンバーが得たい利はそれぞれに異なるので、互いが恵み助け合いながら成立する互助互恵の経済圏である。これにより、モノづくりの分業化が進む中で失われつつある統合的な視点で再構築された、持続可能な共感されるモノづくりの仕組みが生まれるだろう。

そんな夢を見てもいいよね。

 

( プロダクト動態デザイン部 シニアディレクター  坂田 功 )