column 日々、思うこと separate

2023.07.31

コラム

衣装効果と動態デザイン

先日和太鼓演奏グループのショーを見に行く機会があった。愛知県で結成され今年で30周年を迎える「Drum Tao」。演目はもちろん和太鼓をメインにしたものだが、彼らのショーはただの“演奏”に留まらず“舞踊”を取り込んだ独自のスタイルで、いち観客として大いに魅了された。

その中で特に私が感銘を受けたのは彼らが着る衣装(コシノジュンコ氏プロデュース)で、伝統的な和装の雰囲気も残しながら現代風に仕立てられた衣装はとてもかっこ良く、また局所的に織り込まれた反射素材は演者の動きをよりダイナミックに魅せる効果をもたらしていた。この衣装デザインは太鼓の迫力とも相まって総合エンターテイメントの世界の中でことさら効果が大きかったように感じる。

翻って、普段我々が取り扱っているモーターサイクルのCMFGデザインの構造もこれとよく似ている。対象モデルの持つ魅力をCMFGデザインを駆使して最大化する。どちらも共通するのは対象が“動くこと”だが、世の中には生活に馴染む静的なデザインがある一方で、動的な時間軸の中で光輝き、動きとの相乗効果で魅力を増長させていくのも動態デザインの醍醐味の一つである。

( CMFG動態デザイン部 ユニットリーダー 田口郁也 )