column 日々、思うこと separate

2023.04.10

コラム

アニメズム

日本はアニメ大国と言われ、実際に他国ではありえない位のアニメコンテンツを量質共に産出する事で知られています。アニメーションとは命無きモノに命を吹き込むという意味合いがあり、これは八百万に神が宿るとする日本的アニミズムに通じます。と言うか多分、言葉の出どころは一緒です。

インド発の仏教が日本に到着すると“山川草木悉皆成仏”、つまり草木はおろか無機物である山川までにも仏や魂が宿る、という考え方が強調されていきます。このアニミズム体質が現代日本アニメズム源流であると言って過言では無いでしょう。

諸説あるかと思いますが、バイクヘッドライトの目を釣り上げたのはおそらくヤマハ発動機様+GKが最初なのでは無いかと思います。これも非生物であるバイクに命を見出してしまい、それを良しとするアニメズムの一種でしょう。西洋合理主義的にはヘッドライトとは懐中電灯みたいなものでなければならない、はずですが、怪物のように目がつりあがったバイクデザインは海外ブランドにも波及していきました。

ヒューマンセンタードが行き詰まりつつある現在、山川草木悉皆成仏の日本アニメズムに可能性を感じています。

( CMFG動態デザイン部 シニアディレクター 渡邊拓二 )