column 日々、思うこと separate

2022.05.10

コラム

ゾンビ映画を見て思う

死体が生き返って人間を襲うだけの映画がずっと作り続けられるのって不思議じゃないですか?ゾンビものは、いわゆるジャンル映画と呼ばれるものの一つです。ジャンル映画は、言うなれば、『あり得ない設定なんだけど、誰もが一応は疑問なく飲み込める共通認識にまで昇華されたもの』を指す、と思っています。死体に襲われるというのは、全世界共通の根源的恐怖なんでしょうね。

その前提を誰もが飲み込めるから、作り手としても、映画という箱庭のなかで、登場人物を様々に動かしやすいし、観客も感情移入しやすいというわけです。

共通概念があればそこを足がかりにしてもの作りができるというのは、我々の仕事でも同じことが言えると思います。未来で必要とされる概念が分かれば、進むべき方向が分かる。将来に備えて何をすべきかが分かるというわけです。

最近、SFプロトタイピングというビジネス書を読みました。今ある概念や技術の延長で発想(フォアキャスト)するのではなく、飛躍した未来像からバックキャストしてビジネスを考えるという思考方法です。ゾンビが溢れる未来では、どんなプロダクトが必要だろうか?そんなことを考えた週末でした。

( デジタル戦略部 デザインディレクター 本田 宗久 )