column 日々、思うこと separate

2022.03.29

コラム

体験価値

世の中が体験を消費したがっている。体験が価値になるということに焦点を合わせてお話ししたい。

機能やスタイリングといったモノそのものに価値があるモノ消費から、モノを手にすることで可能になる経験やストーリーが価値になるコト消費へ移り、現在は完成されたモノを提供されることよりも、その過程を体験することに価値がある体験消費の時代になっているが、今始まったわけではない昔からBBQやいちご狩りはあった。

間違えてはいけないのはモノのデザインは古く、コトのデザインが重要といったどちらかみたいな話ではない。いかなる時代も圧倒的なクオリティのアウトプットは価値がある。

話を体験価値に戻そう。

モノづくりの世界で体験が価値になるとはどういうことか?モノが溢れている現代において商品に差がなくなり、消費者が完成品を求めなくなった。つまりどれも大差ないよねってこと。こうなってくると「どれを買おうか」ではなく「誰から買おうか」という思考になる。「あの企業を応援している」から、「あそこに行ったら面白かった」からという体験が消費する理由になるので、消費者が購買行動に移る前につながりを広げ、体験を共有しておく必要があるわけだ。

勘のいい方はお気づきだろう。

デザイナーが提供できる体験価値は何か?デザイン業務の在り方が大きく変わる時代が来るかもしれない。

 

( プロダクト動態デザイン部 シニアディレクター 坂田 功 )