column 日々、思うこと separate

2023.10.02

コラム

道具の形 – オイルフィルターレンチ

オイルフィルターレンチほど多様な整備工具は無いですが、二つのコンセプトに分けられます。スピンオン式オイルフィルター(写真中央)は直径約60~100mmのケースごと交換します。

一つの工具で直径を調整して回すのが一つめのコンセプト。ケースを手で回せば良いぐらい締め付けトルクが低いのですが、緩める時には工具が必要。バンド式(写真左)は一方向に回すと自動的に径が狭まります。素材はゴムやナイロン、チェーンなど色々あって正解は無いですね。カセットが使い捨てなので潰しながら挟むのがプライヤー式(写真右)で、さらにこの考えを進めてドライバーを突き刺して回す人もいます。

もう一つはサイズごとにツールを作るコンセプト。フィルター上部は14~15角になっているので、サイズごとのカップ式ツールを既存レンチで回します。1台しかオイル交換しないなら一つだけ用意すればOK。トルクが低いので簡単なプレス(写真手前)やアルミ鋳物(写真右奥)で作られていますが、さらに樹脂製(写真左奥)もあります。

1つの道具で工夫するか、潔くサイズを揃えるか、解決法も様々です。

 ( プロダクト動態デザイン部 デザインディレクター 麥倉 毅美 )