ジークマシンとジービーレーサー
Gee Bee Racer（ジービーレーサー）好きなんですよね。
設計者や作った人の意図が見えるデザインはとても惹かれます。
このジービーレーサーもそのひとつ。

エアレースで勝つ為にはどうすればいいか？設計者は考えたんでしょう。
「デカいパワーのあるエンジンに軽量な機体を組み合わせたら最高じゃないか？」
大きなエンジンによって機体は太く、軽量な機体を狙い極端に短い全長に。
そして大きな翼を与える事で、パワーと操縦性をジービーレーサーは手に入れました。

エアレースでは勝ちましたが、ビア樽というニックネーム・愛らしいフォルムとは裏腹に、パワーのあるエンジンとクイックな操縦性の組み合わせはコントロールが難しく、パイロットが亡くなっています。後々、パワーと操縦性を考慮し、機体は長く細く変化してゆきます。

モノ作りにおいて、機能・性能を想像し求め、それを実現させる為に考え努力する。
ワクワクする作業ですが、中々思った様には行かないのが現実です。
それでも人は次の“もっと良いモノ”を求め作り続けます。
何か新しいモノを作り出そうとする姿勢は常に魅力的です。

ジークマシンも色々な性能を想像し描いています。
こいつはコーナーリングマシンではなく直線番長に近いですけどね。

( デザイン戦略部 マスターデザイナー　飯村武志 )