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ウチの息子は食べ盛りなのだが、野菜嫌いであまり自分から生野菜を食べる事をしない。
毎朝パンにこっそり挟んでみたり、好みのドレッシングをかけてみたり、健康面に影響を及ぼすからなど、色々な懐柔策を試して、なんとか最低限の野菜を食べさせているのが現状だ。
そんな野菜ぎらいの彼が、自ら生のレタスをむしゃむしゃ食べる事態が突如訪れた。ただ何も特別なことをしたわけではない。いつも作る鶏肉の炒め物に、冷蔵庫に少し余っていたレタスを手でちぎって入れただけなのだ。
ただこれが功を奏した。
鶏肉の予熱によって、レタスの歯触りが柔らかくなって食べやすくなったということもあるが、圧倒的に彩りが美味しそうに見えたからだ。
多くの料理研究家も美味しく見せるテクニックとして、色彩を巧みに見せる効果を紹介しており、これは人は約8割が色彩、約6割が形態、約4割が匂いで美味しそうと感じるという事と本能的にバランスの良い栄養価を求めるところからきているからだそうだ。
今回は鶏肉のオレンジ系の色とレタスのグリーン系の配色が補色の対比となり、お互いの色合いを引き立たせた。また器には、そのシナジー効果を遮ることのない白を選んだことも、良い結果につながったと感じる。
これはまさに我々のCMFGデザイナーが業務で日常的に行なっている、色彩の演出術である。先方に色彩を魅力的に感じてもらうために、イメージボードを用意したりアクセントカラーさす戦術がまさにそれだ。
赤身のお刺身で例えるなら
器やツマ=SKの背景
大葉やわさび=アクセントカラー
といったところだろうか。
こういった日々のちょっとした課題に色彩学を応用することで、解決できることに改めて気付かさせられた。
(CMFG動態デザイン部 デザインディレクター 江頭 淳)