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「グワぁーっと!」「ギュっと!」「ビューっと!」
今ではそうでもないようだが、私が入社した30年以上前、仕事場ではこんな言葉が飛び交っていた。そしてその言葉たちは、動きのあるモノのデザイン(いわゆる動態デザイン)に携わるデザイナーの特徴だということを後から知った。
これは初代社長がとくに顕著で、指示はすべて前述のごとき擬音だったし、社名の「ダイナミックス」もきっとそんな感覚の延長線上で名付けられたに違いない。機能やコストといった理屈は後回しで、とにかく「どう感じるか」を重視する。その痛快さに、当時は面食らった記憶がある。
やがてそんな環境にも自然と馴染んでいくのだが、気が付けば独特の感覚がすっかり身につき、たとえば他分野のデザイナーとは言葉の使い方や会話のリズムがずいぶん違っていることに気づかされるようになった。
かと言って落ち込む必要は全くない。面白いことに、私たちのお客さまもまた、似た感性を持つ方々だったりするのだ。
彼らは心の琴線に触れるカタチやカラーリングに触れると「すげーっ」「かっこいい~っ」「サイコーッ!」と、まず感情そのものを言葉にする。そして、その反応を引き出せたなら、それでこちらの仕事は大きく報われる。これは万国共通だ。
そんなこんなで時は流れ、時代の空気も変わった。けれど今でも、言葉数は少なくとも感覚で本質を掴む人たちに出会うと、不思議と心が温かくなり、幸せな気分に包まれるのである。
(ハイブリッド動態デザイン部 マスターデザイナー 保母 実)