column 日々、思うこと separate

2025.08.04

コラム

私の感動方程式

先日、幸運にもルーブル美術館に行くことができました。約20年ぶり2度目となったモナ・リザ/サモトラケのニケ/ミロのヴィーナスの3大作品との再会よりも大きく感動したものは、以前見逃していた古代エジプト文明の品々でした。

刻まれたヒエログリフや絵を見ていると、とてつもない時間や労力が注がれている情景をイメージでき、数千年の時を越えてなお存在しているものへのロマンを感じると同時に、幼少期にTVで見ていた考古学への憧れが蘇りました。ただ、この感動はあまり共感を得ることはできませんでした。そこで理由を分析してみると以下の方程式が出来上がりました。

「今回の感動 =[歴史(長い年月が経っている) +距離(簡単には見られない) +経験(情景をイメージできる) +デザイン(美しさ) +タイミング(予想せぬ出会い) ]× 記憶(幼少期の憧れ)」

思い返してみると、バレーオブファイヤーの壁画/サグラダファミリア/プランバナン寺院/ケルン大聖堂などが近い感動要素だと気づきました。どうやら私は歴史的で独特な雰囲気を持つ壮大なものに憧れを抱いてしまうようです。世界ふしぎ発見!や徳川埋蔵金伝説などのTV番組が好きだったのも今になって納得です。

(CMFG動態デザイン部 デザインディレクター 片平憲男)