column 日々、思うこと separate

2021.11.16

コラム

11月の扉絵

手で描いたタッチが好きなんですよね。

デジタルを使っていても、手の動きの分かる線に惹かれてしまいます。
最初は描いた線が残っていても、塗れば塗るほど消えていきます。
でも塗るから、線だけでは出ない立体感や艶が出てきます。

あたりまえじゃない…と思われるかもしれませんが、描いている本人としては本気で悩んでたりするんですよ。

普段の仕事でしたら最終目標は立体になるので、3Dデータを使ったリアルな表現でシェーディングされたものが一番誤解がないですしベストでしょう。
ですが、イラストやイメージを表現したものは決してそうとは言い切れません。
たどたどしい線や書き殴った筆跡が魅力的に見えたり、中々一筋縄ではいきません。

全て整ったモノに人が惹かれるのであれば、こんな簡単な事はありません。
時には、ちょっとバランスが悪かったり崩れたものが魅力的に感じたりします。
人間ってなんて厄介なんでしょうね。

私達は美しいモノや綺麗なモノを目指して作りますが、最終目標は“魅力的”に見える事。

今回のスケッチ、どこかに魅力を感じて頂ければこんな嬉しい事はありません。

( デザイン戦略部 マスターデザイナー 飯村武志 )