技術革新と未来
2009 日本科学未来館
常設展示「技術革新と未来」のリニューアルプロジェクト。 新規展示のテーマは「想像から創造へ、そして技術革新がもたらす新しい社会へ」とし、科学技術の発展を「水の循環」になぞらえて紹介。 「人と技術の壁画」では、想像と創造を繰り返してきた人類の歩みを映像で表現。 「願いの泉」と「創造力の川(むすびつける、くみあわせる、ひらめく、みならう、きりかえる)」では、沸き出した人々の願い(想像)が技術革新を生み出す5つの創造力に発展する様子を泉と5本の川に見立て体験型の展示で紹介する。 展示のデジタルコンテンツ制作と一部システム設計をGK テックが、「人と技術の壁画」などの動画のイラスト制作をGKグラフィックスが担当した。

1. 人と技術の壁画
人間と、そしてそれが生み出す道具や知識が可能にする様々な事柄を映し出し、人類が夢を実現してきた足跡を振り返り、この先の技術革新は人間に何をもたらすのか、そして人間はそれを持ってどこに向かおうとしているのかを問いかける。 展示エリアへの導入部となる映像コンテンツ。

2. 願いの泉
人々の持つ様々な願望が尽きることなく湧き出る泉。 そこから溢れ出たたくさんの願望が、やがて大きな「創造力の川」(むすびつける・くみあわせる・ひらめく・みならう・きりかえる)の流れとなり、「豊饒(ほうじょう)の海」へとたどり着く。 「創造力の循環を水の循環で表す」という空間コンセプトを象徴するシンボルコンテンツ。

3. 創造力の川 "むすびつける" パラレルワールドの百面相
量子コンピュータの特徴は、複数の可能性が同時に成立することで、膨大な量のデータから瞬時に1つを選べるということである。 ここでは、その場で自分の顔を撮影し、たくさんの顔を並べて表示した画面と、短冊状に区切った顔を重ねて表示した画面の両方で自分を探してもらい、量子コンピュータの不思議な世界を体感できるようになっている。

4. 創造力の川 "くみあわせる" 働くラボオンチップ
従来の研究室で行われていた多様な化学実験が、たった一枚の小さなチップに集約された「ラボオンチップ(LOC)」。 そんなLOCの働きを、クイズ形式で紹介するコンテンツ。

5. 創造力の川 "ひらめく" 好奇心から始まる探求
偶然の発見から生まれた導電性プラスチックを通して、科学における「ひらめき」の大切さを紹介するデジタルコンテンツ。 博士と一緒に、導電性プラスチック(ポリアセチレン)とPETの性質をそれぞれ実験しながら分析・解説するアニメーションを制作。

6. 創造力の川 "みならう" 4人のまねっこ
植物の優れた働きをみならって、環境やエネルギーなどの問題に立ち向かう「人工光合成」を紹介するアニメーションを制作。

7. 創造力の川 "きりかえる" 未来の部屋
壁3面を薄型ディスプレイで組み合わせた部屋。 未来の家では壁紙全体をディスプレイにでき、そこに映し出される映像を定期的に変えることで、様々な効果を演出することができる。

担当業務:コンテンツ制作(1-2,4-7)、システム設計・制作(3)
イラスト制作:GKグラフィックス(1,6)
クライアント:日本科学未来館、株式会社丹青社
撮影:藤澤真樹子 提供:株式会社丹青社

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