夜光虫の群の中で夜の暗闇の遊泳をする。人間の動きに刺激されて夜光虫は光る。
群は全体の司令塔は持たない。一匹一匹の判断で光る。
一歩引いて遠目に見ると、海中には夜光虫の群が創る光る人影が見える。
「あしあと」はそんな体験から生まれたものである。刺激を受けたら興奮して光る。
刺激を取り去ってからは緩やかに興奮が冷めていく。そんな簡単な仕組みを持った一匹を無数に平面に並べたもの。
「あしあと」は常に特殊な赤外線を浴びている。
一匹一匹の持つ赤外線の見える目を遮ることが刺激になる。
100匹の格子状に並んだユニット(25cm角)を36個、すなわち3600匹の人工夜光虫が強化ガラスの床の下に埋め込まれている。




