JR奈良駅 西口駅前広場
2000
JR奈良駅周辺地区土地区画整理事業の一部である奈良駅西口駅前広場では、古都奈良の新しい都市拠点となる同地区の玄関口にふさわしい、未来に向けた新しい奈良の顔づくりと、古の歴史の上に培われた文化を感じさせる顔づくりが求められた。
若草山、生駒山、春日原生林など周辺を荘厳な山の緑に包まれ、のびやかで雄大な拡がり感のある景観、奈良格子などの生活文化をかたどってきた空間構成要素。そのような奈良の原風景を次代に再現することがデザインのテーマとされた。
広場の全体的な空間構成として、のびやかな空間イメージを再現するため、広場には照明柱などのハイポールを設けないものとし、人工地盤に照明施設を付帯させ低い高さでのライトスケープを実現するものとした。
また、信号機などの独立柱を削減するため、これらの施設も人工地盤に極力付帯するものとし、橋面デザインは、奈良格子の特徴である粗いピッチのディメンションをもつアルミの格子高欄とした。
これにより構造物から風景が見え隠れし透過性を感じる空間体験を再現するものとしている。
透かし抜ける空間イメージは、人工地盤のみならず、地区内街路の照明灯などあらゆる施設に展開している。
領 域:交通環境
施 主:奈良市 / (財)都市みらい推進機構
業務内容:実施設計
奈良の原風景 歴史と文化の顔づくり
西口駅前広場全景:デッキレベルから上部に突出する施設がなく水平感が強調されている
デッキに付帯された道路照明施設
人工地盤の格子高欄と桁カバーに共架された信号機
ボールト天井部は地上路面への間接照明となる
横断防止柵(柱脚部は足下照明内蔵)
信号機付帯交差点照明灯
歩行者側に向けた植栽プランター