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藤本英子氏 講演会
「欧州・公共都市交通のデザイン-7カ国16都市の調査が、語りかけてくるものから-」

京都市立芸術大学教授であり、JIDAの理事でもある藤本英子先生に、欧州の公共交通のデザインに関する講演をしていただきました。藤本先生は、株式会社東芝において家電デザインの経験を経て独立、2001年より大学教育に携わっておられます。また、最初にデザインを志したきっかけは、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)でのストリート・ファニチャーのデザインに触れたことであったと冒頭述べられており、そのルーツにはGKとも縁があったようです。
講演内容は、実際に藤本先生が、ロンドンをはじめとした欧州7カ国16都市を3週間で調査し体験した、鉄道やLRT等の公共交通と、欧州で普及しているシェアサイクルについてであり、豊富な写真と体験談を交えた話は大変楽しく、また、欧州の現在がよく追体験できるものとなっていました。特に注目されていたのが、自転車専用レーンを示す各種のサインの使われ方とその色彩、そして公共交通機関の車両ラッピング広告についてでした。
美しい欧州の歴史を表す都市と豊かな緑の背景と対比して、目立つ赤や青の使われ方に対する懸念、車体の大部分を覆うカラフルなデザインのラッピング広告についての是非など、今後日本でももっと考えなければならない項目について、たくさんの示唆を与えられ、我々GKデザイングループメンバーも多くの刺激を受けた講演会でありました。

藤本 英子(ふじもと ひでこ)
京都市立芸術大学美術学部 及び 同大学院美術研究科 環境デザイン研究室教授
公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会(理事)
[略歴]
1958年、大阪生まれ。
1982年京都市立芸術大学美術学部工芸科デザイン専攻卒業後、株式会社東芝入社
デザインセンター所属後独立。
エフ・デザイン設立(1992~建築士事務所エフ・デザイン)
2001年より現職。
2005年、博士過程修了後(芸術)学位取得。
景観デザインを専門とし、関西を中心に20程の自治体景観行政等に関わる。
(大阪府、京都府、滋賀県、神戸市、堺市、吹田市、豊中市、南丹市、宇治市、西宮市他)
著書に『市民のための景観まちづくりガイド』学芸出版社、2012 年、他。