新造フェリーにおける総合的なブランドデザイン開発

海上交通の体験価値を高める

TOTAL DESIGN

瀬戸内海(広島--松山)を渡るクルーズフェリー『SEA PASEO』。乗船調査により既存フェリーの使われ方を改めて見つめ直し、「PARK on the SETONAIKAI(瀬戸内海の移動を楽しむ、みんなの公園)」という、フェリー本来の魅力をコンセプトとして導きました。単なる移動手段としてのフェリーから、心地良い海上公園へ。従来フェリーの概念を変える「公園感」を実現するため、船体デザイン、環境デザイン、ブランドデザイン(ネーミング、シンボル)、サービスデザイン、プロモーション等、お客様の目に触れるタッチポイントのトータルデザインを行い、一貫した世界観の創出に取り組みました。

Naming / Symbol Mark Design

船名:『シーパセオ』 -海の散歩道-

SEA(海)」と『PASEO(スペイン語で遊歩道)』を組み合わせ、航路を散策する楽しさや、海上の公園感を表現しました。

シンボルマーク:

広島・呉・松山の3都市をハートで表し、それが海上で繋がる様子を表しています。

公園や遊歩道に佇むクローバーの葉の形もイメージしています。

紺、白、黄のカラースキームで、温暖な瀬戸内海の風景との調和を図りました。屋上デッキは瀬戸内海国立公園を満喫できる「公園」としての場づくりを行っています。

海上公園を演出する多様な憩いの場づくり

SEA PASEOは、利用者各々の船上での多様な過ごし方に応えるため、“3つのKAI(快・会・開)の空間ゾーンと12種類の憩いの場をしつらえています。瀬戸内海の光や風を満喫できるガゼボ(あずまや)や人工芝、船内回遊を積極的に促す中庭空間、引き波の風景を楽しむ船尾ラウンジをはじめとしたフェリーならではの靴脱ぎ席の増設など。それぞれの憩いの場のネーミングにも気を配り、乗船客が船内を散策しながら自分に適した居場所を探す船内回遊の楽しみを演出しています。

SERVICE DESIGN

海上公園を演出するサービスの創出

SEA PASEOでは、船内での物販、サービスも旅の世界観を構成する大切な一要素としてとらえ、利用者が得られる顧客体験の向上を目指しました。事業者とのワークショップをファシリテーションし、航路(瀬戸内海、広島・呉・松山)にちなんだオリジナル飲食メニューの開発や、SEA PASEOオリジナル商品の企画を行い、海上公園らしさにつながるサービスのありようをサポートしました。また、瀬戸内の文化を知る無料ライブラリを設置し、瀬戸内海エリアへの興味の醸成や観光につながる情報の場を提供しています。

瀬戸内海や海、旅、広島・呉・松山にちなんだ本を集め、貸し出し用のライブラリーを新たに設置

海上のカフェ感を演出するオリジナルメニューの開発。「シーパセオひきなみパフェ」や「シーパセオそよかぜカクテル」「しおかぜレモネード」等、海上の公園感を感じさせるネーミングを行っています。

PROMOTION

SEA PASEOの世界観を伝えるプロモーションツールのデザイン

2019年夏の就航に合わせて段階的な告知を行うWEBページのデザインディレクションや、新造フェリーの魅力を紹介するパンフレット、ショートムービーを作成しました。

GK-DSHのデザイン担当領域

・共創ワークショップへの参画・デザインコンセプト立案・外観デザイン、内観デザイン・シンボルマークデザイン・船名&船内ネーミング

※共創ワークショップの運営はGKDRIが担当

受賞歴

・グッドデザイン賞 BEST 100

・デザインミュージアムセレクション 2019 GOLD AWARD

・シップ・オブ・ザ・イヤー 2019 小型客船部門賞

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