「科学の探究」エリア展示リニューアル
2024 仙台市科学館
科学館の約30年ぶりの常設展示全面リニューアルに際し、理工系「科学の探究」エリアの展示物をデザイン。 製作段階では化学の基本であり、また核となる周期表コーナーを担当した。 化学の楽しい原体験となる展示を目指し、実物の元素標本や原子・分子の様子を再現する体験装置、デジタルコンテンツなど多様な手法を用いて原子・分子の世界を体感できる展示を構成した。​

1. 実物からみる元素周期表​
元素毎に3種類(単体、自然界にある状態、化合物)の実物標本を展示した周期表。 元素の標本展示としては国内でも有数の規模で、迫力あるものとなっている。 リニューアル前に空間に遍在させていた標本を元素周期表の並びに再構成し、縦列、横列で隣り合う元素同士の類似性への気づきを促す構成にした。 ​

2. 電子配置からみる元素周期表​
元素を構成している電子の配置を見せる周期表。 リニューアル前​のシンボリックな展示内容を引き継ぎ、電子の配置が直観的にわかるようにグラフィックをアップデート。 主役である電子が一番目立つように検討を重ねた。 ​

3. スケールは“粒”から“宇宙”へ​
没入感のある大画面で、原子・分子などの “粒”の世界から宇宙スケールまで、さまざまなスケールのものを比較するデジタルコンテンツ。 操作感にこだわったカスタム製作のダイヤルを回すとシームレスにズームイン、ズームアウトできる。

4. すべては“粒”でできている​
4画面の大きな映像に海、大自然、都市、空、宇宙までの我々が住む世界に存在する様々なものが並ぶ。 画面上のイラストにタッチすると、その物質を構成する元素に分解され、元素の性質の違いや共通性を体感できる。​

5. 分子の状態を変えてみよう!​
物質の三態(固体、液体、気体)それぞれの状態における分子の動きの違いを、物理的な玉の動きによって再現。 本来は目に見えない世界の様子を、リアルな物理現象によって体感してもらう。​

6. 分子の構造を比べてみよう!​
同じ元素でも結合の違いによって物性が異なるものができる。 炭素の同素体であるダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)を例に、自分自身で2つの分子模型を一緒に揺らして構造の違いを比べられる装置。

7. 分子をつくってみよう​
ブロック遊びのように分子模型に自由に触れて遊べる展示。 小さな子供でも楽しく遊べるように、解説端末の作例は分子模型の色と形を軸に1画面で整理。個々の作例にタッチすると解説のイラストが表示される構成にした。

担当業務:企画・設計・製作​​
クライアント:株式会社トータルメディア開発研究所​
協力:廣木一亮​

公式サイト

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