
ユニットリーダー
プロダクト動態デザイン部
西野 雅弘
Masahiro Nishino
自分の意志を未来に残せる仕事

GKダイナミックスに入社したいと思ったのは、学生の頃に読んだモーターサイクルのデザインに関する、当社のレポートがきっかけでした。そこでは、モーターサイクルのデザインのセオリーが一種の哲学のように言語化されていて。当時の自分には内容を完全に理解することはできなかったのですが、デザインを単なる仕事と捉えるのではなく、体系的に、ひたむきに研究・追求している姿勢が純粋にすごいなって思ったんです。
そうして、入社から現在までは立体デザイナーとしてスケッチからクレイまでを担当しています。プロジェクトに携わる時にいつも思うのは「自分の意志を未来に残したい」ということ。モーターサイクルって、作り手の「意志」がはっきりと見えるんです。どんなバイクにも、必ず誰かの思いがカタチになっていて。私の思いもきっとどこかに息づいているはずで、製品が世の中に残り続ける限り、消えることはありません。
これは、ただ爪痕を残したいというわけじゃない。自分の意志が歴史の一部になり、誰かがそれに共鳴し、あるいは反発する。そうして考え方が広がることで、デザインの世界がもっと豊かに、もっと面白くなっていくと思うんです。作り手の意図を汲み取って受け継ぎ、また新しいものを生み出す。そのプロセスが、本当に楽しいんですよ。そんな「意志をつなぐ仕事」に惹かれています。

目の前の仕事に
必死でしがみついて、今がある



入社してから印象に残っている仕事は大きく2つ。その1つが昨年発表されたモーターサイクルのプロジェクトです。この時は、クライアント企業に所属する設計者と組ませてもらったのですが、とてもこだわりの強い方で。空気抵抗の影響などを調べる空力実験まで一緒にやらせてもらったんですよ。データを分析しながら、何度もモデルを作って安定性や操縦性を突き詰めました。実は、私は元々理系出身。でもあまり向いていなくてデザインの道に進みました。そんな私がデザイナーとしてデータと睨めっこする日が来るなんて、ちょっと面白いですよね。
そしてもう1つが、入社5年目頃に手がけた、日本最大級の業務船のデザインです。当時の日本は東日本大震災からの復興に向けて動き始めた頃で、船の需要が高まっていました。それまでは海外向けの製品が多かったので、自分が身につけたスキルが日本の経済や東北の復興に役に立ったと心から実感できたんです。もちろん、海外ユーザーに喜んでもらうのもうれしいですよ。でも、自分の住んでいる国に貢献できたのは今までと違うやりがいがありました。
振り返ってみると、新人時代は自分の力不足で思ったように仕事ができず、「辞めたい」と思ったこともありました。でも「いつかフラグシップのデザインをするんだ」って明確な目標があったので、そこに向かって踏ん張っていましたね。力不足のまま辞めたところで、どこに行っても結局同じ。だから、力をつけるまではここで頑張ろうって。そして気づけば、入社して12年が経っていました。
デザイナーって華やかな仕事に見えるけど、実際は全然違うんです。もちろん、商品が世の中に発表される時など、特別な瞬間も確かにあります。でもそこに辿り着くまでには、ひたすら企画やデザインを練り直し続ける、そんな地道な日々があって。結構、泥臭いんですよ。
特に当社は、クライアントのオーダー通りではなく、一緒に考えて作り上げるというスタンスを大切にしているので、仕事ではコンセプト設計などプロジェクトの上流部分から関わることもあります。トライアンドエラーを繰り返しながら、まだ見えないゴールを模索し続けてこそ、良いデザインは生まれる。だから、デザイナーに必要な素質って、粘り強さなんじゃないかって思うんです。

なんだって挑戦できる
GKダイナミックスで、
新たな経験を

最近はモーターサイクルで培った知見を生かして、他のフィールドの仕事をやってみたいんですよね。入社当初は「モーターサイクルがやりたい」と思っていましたが、だんだんと興味の幅が広がっているような気がします。いろんな製品に関わると新しい視点を得られるので、自分がスキルアップするためにもきっと良い経験になるんじゃないかって。プロダクトに限らず、いろんなことに挑戦したいですね。
とはいっても、具体的な目標は全然決まっていなくて(笑)。飛行機とか、宇宙関係の仕事とか、ぼんやりしたものしかありません。やりたい理由も「陸と海をやったから、次は空」っていう単純なものです。でもそれくらい自由に、なんでもできると思うんです。このGKダイナミックスならば。
特にここ数年は若手社員も増えてきて、会社に活気があります。本当にみんなすごいんですよ。それぞれが異なる個性、スキル、バックグラウンドを持っていて、さらに若さゆえのエネルギーもある。そういう人が集まると一気にプロジェクトも動いたりするんですよね。良いグルーヴを感じます。会社としても、モーターサイクル以外も手がける“総合デザインカンパニー”を目指しているので、社員の挑戦したい気持ちを受け止め、後押ししてくれる土壌があるように感じます。だからその中で、自分が何をしたいのか、何をやるべきなのか、考え続けたい。今、自分はそんなタイミングなのかなって思います。

1日のスケジュール例
10:00
出社
フレックス制度を活用して、10:00に出社。
11:00
ミーティング
ミーティングがある日は、出社することが多いです。
12:00
ランチ
手作り弁当で英気を養います。
13:00
デザイン作成
デザイン作成の業務は午後から取り掛かることが多いです。
14:00
ミーティング
15:00
デザイン作成
ミーティングなどが落ち着いてからデザイン作成を再開します。
20:00
退社
海外の方と関わることも多いので英語を使う機会は多いです。過去には英会話スクールにも通っていました!

出社3割、出張3割、テレワーク4割で勤務しています。プロジェクトの進捗や自分の体調に合わせて自由に調整できるのはありがたいです。

Personal Life大好きな土地で、サーフィンに熱中
昔、ツーリング中に見た湘南の景色がずっと忘れられなくて。それで2年前、テレワークの導入を機に、引っ越してしまいました(笑)。それ以来、サーフィンにハマっていて、週末に時間があれば海に通っています。サーフィンってスポーツとしても楽しいんですが、意外と景色を見ながらリラックスできるんですよね。あと、その日のコンディションでパフォーマンスも変わるので、ずっと楽しくって。満足度が高いというか、時間あたりの密度がすごく濃いんですよね。これはもう、やめられませんよ……。
それから料理も好きなので、時間があればキッチンにも立ちます。平日はお弁当派なのですが、実は私の手作り。ちなみに得意料理は焼き餃子です。


