山梨 知彦氏 講演会
山梨知彦氏は、現代の組織設計事務所のスーパースターです。日建設計においてデジタルデザイン設計室を旗揚げ、その年の全プロジェクトのうち2割のBIM化に成功。それは、BIMによるチャレンジを通して建築設計のあり方、日建設計のビジネスをも変革しようという壮大な試みでもあります。
講演はBIMの一般論の解説から始まりました。BIMとは「Building Information Model」の略です。例えば、まず求める形を決めて構造材や配管を配置すれば、意匠設計図の作成や部材の数量を算出、部材間の干渉チェックも自動で行われ、変更すればそれが全ての設計図書に反映される。「だから、ズボラな人にBIMはぴったりのツール。ちなみに僕はかなりのズボラです(笑)。」と。後半は、山梨氏が手がけられた「木工会館」「ホキ美術館」「ソニーシティ 大崎」などを例にBIMによる設計プロセスを丁寧に解説していただきました。
快活な山梨氏のペースに引き込まれ、参加者は大いなる刺激と示唆を得ることができました。そして最後に「私はBIM推進者だが、BIMの信奉者ではない」と述べられたことが記憶に残った講演会でした。
山梨知彦(やまなし ともひこ)
株式会社日建設計 執行役員 設計部門副統括
代表作:「神保町シアタービル」「木材会館」「ホキ美術館」「ソニーシティ 大崎(現・NBF大崎ビル)」
受賞:「日本建築学会作品選集」「BCS賞」ほか多数
著書:『業界が一変する BIM建設革命』『20代で身につけたい プロ建築家になる勉強法』『オフィスブック』(共著)ほか