2010年6月24日(木)

五味太郎氏講演会
「ことばとかたち」

五味太郎氏講演会

GKテックが企画・開発・制作し、国立民族学博物館に展示されている「ことばスタンプ」のイラストをご提供いただいた五味太郎先生。栄久庵会長とは40年ぶりということで、再会も楽しみに来ていただきました。今回は、ご自身の幼少時代や、デザイナーから絵本作家になられたエピソード等を楽しく大いに語っていただきました。五味先生は子どもの頃「なんでですか ?」と良く尋ねる好奇心の強い、質問魔だったそうです。一方、今人々は大人も含めて既成概念に囚われ過ぎているので、自分自身で立体的・多面的に考えることが大事とのことでした。また、人とモノとの関係も、人間工学に基づく使いやすさではなく、自らが練習して使い方を身につけるところに「面白さ」があると語り、「ゆるく解釈する」「『これ、面白いよね』の連続が大切」との言葉が、閉塞した現代社会へのキーワードのように思いました。

五味太郎(ごみ たろう)

絵本作家。1945年、東京生まれ。桑沢デザイン研究所ID科卒業。イラストレーターの故真鍋博氏に師事し、工業デザイン、グラフィック・デザインの世界から、絵本を中心とした創作活動に入り、ユニークな作品を数多く発表、著作は約400冊に及び、数十冊の絵本が海外でも翻訳出版されている。現在は絵本創作以外にも、エッセイ、服飾デザイン、アニメーションビデオ制作など、さまざまな分野で活躍し、注目を集めている。
絵本以外の著作に『じょうぶな頭とかしこい体になるために』『とりあえず絵本について』など。月刊誌「自由形」を編集・制作。受賞にボローニャ国際絵本原画展、2000年2月28日第22回山本有三記念「路傍の石文学賞」など多数。