富山市 市内環状線化事業
2009
2009年、富山市内電車環状線「車両愛称:セントラム(CENTRAM)」が開業した。市内電車環状線化事業は、「公共交通の利便性向上」、「賑わい拠点の創出」、「まちなか居住の推進」を3つの柱とした、中心市街地活性化基本計画の重要プロジェクトの1つであり、富山市が進める「コンパクトなまちづくり」の中核を担う事業である。
人や環境にやさしい低床車両「セントラム」が中心市街地を循環することは、観光など産業の様々な面で間接的影響があると考えられることから、車両や電停だけでなく景観を含めてトータルにデザインし、魅力ある街路空間をつくることが重要だと考えた。
このため、学識経験者や地元市民などを交えたデザイン検討委員会を設置し、多様な視点を取り入れたデザインコンセプトを決定し、デザイン構想から設計、製作、施工監理までを一貫した思想の下で進めた。
さらに、市民や企業が事業への関心を高め、その意義を共有しあうことができるよう、多くの人たちが事業へ参画できる仕組みづくりも行った。
このように、都市におけるトータルデザインは、人々の街への想いを1つにつなげる力を持ち、今後のまちづくりの原動力となり、市民一人一人の心をつなぎ、喜びと感動を与え、そして郷土への誇りを醸成するものになることを期待している。
領 域:交通環境
施 主:富山市
業務内容:基本設計 / 実施設計
写真撮影:室澤敏晴+GK設計
2016年土木学会デザイン賞 優秀賞受賞
多様な視点を取り入れ 想いをつなげる