静けさのデザイン
ヘルシンキ芸術大学学長ユルヨ・ソタマー氏とのインタビューに、 音環境の話からQuietnessという言葉が出てきた。現代のNoisyな状況への対概念としてだが、これは視覚の世界にも敷衍できる。
静けさのデザインは、Simplicityで実現できるのか? 茶室やなどの人工世界も、多様な素材からなる要素でつくられているが、そこには静けさがある。 複雑ななかにも静けさはある。
森閑としたなかの蝉の声自身は喧しいかもしれない。しかし心象としては静けさなのである。町中の喧噪のなかではそうはいかない。都市のノイズを森の中のように心地よい風景に変える何かが求められている。(伊坂 正人)