column 日々、思うこと separate

2020.12.18

コラム

愛されないプラスチック

 バイクのイメージと言えば鉄の馬、私もそんなイメージが好きで、鉄の馬らしいエンジンの重厚感や切削面、そして磨けば輝くクリア塗装を施した金属タンクやアルマイトを施したパーツなどに魅力を感じ、そんなバイクを乗り継いできました。ただ実際には、鉄馬のバイクでもプラスチック素材の樹脂パーツが多く使われています。

 樹脂パーツは、仕事の中で時より「プラスチッキー」「ギミック」などと、低品質や模倣といった意味あいからネガティブな要素として使われることがあります。日常生活の中でも多くの製品に使われて溢れるほど浸透していますが、環境面ではあまり良い立場にはない「必要不可欠だけれど愛されていない素材」と感じます。

 そんな中、最近プラスチック外装のバイクを手にしました。そのバイクから改めて思うことは、いざ乗ってみるとプラスチックの持つ軽さや柔らかさに合理性を感じ、そのバイクにとっては本質を突ついた素材であると実感しました。

 自分のバイクや車を「愛車」と呼ぶ「愛」を付けられるプロダクトの中で、プラスチックをもっと愛すべき素材にしてあげたいと感じる今日この頃です。

( CMFG動態デザイン部 ジェネラルマネージャー 青木 省吾 )