column 日々、思うこと separate

2020.06.15

コラム

対応力のないデザイナー

 大きく働き方が変化し、大変な時期が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?私も3月末から在宅での勤務が続いています。20年の月日を経て、立って寝るといった特殊な技術を身に着けたとはいえ、朝の混雑した公共交通機関に慣れることはありません。それから解放されるテレワークは大変ありがたいです。また往復2時間半の通勤時間がないこともなんだか自由な時間を手に入れた感じがします。在宅勤務の日は就業開始まで庭の草むしりをすることもあります。
 
 個人差はあると思いますが、デザイナーといった職種はテレワークに向いているようで、実はそうでもないなと感じることが少なくないです。オフィス勤務かテレワークかといったことよりも、ずっとどこかに留まり続けることは良くないといった方がよいでしょうか。
 
 私の場合、普段何気なく通勤している途中によくアイデアが浮かびます。体を動かしていることが何らかの影響を及ぼしているのかもしれません。また意識せず目に入ってくるものからカタチや考え方のヒントを得たりしています。会話中にも、食事中にもよくいいアイデアが浮かびます。脳で物事を考えているのは間違いないのですが、アイデアがふわっと沸いてくる感覚の方が表現としては適切な感じがします。きっと、熟考の末アイデアが浮かぶぐらい脳を使えていないんでしょうね。
 
 そうなると私の場合、頼りになるのは視覚や聴覚や触覚です。静かな部屋で目を閉じてじっとしながらアイデアが浮かぶか?私の場合はありえないです。意外とちょっとした雑音や人が行き来している方が集中しやすかったりします。皆さんもそんなことってありませんか?今まであまり考えたことはありませんでしたが、普段私はいろんなモノから少しずつ刺激を受けながらアイデアを考えているんだなと改めて感じます。
 
 テレワークをしながら、今まで気づいていなかった自分の特徴を感じつつ日々過ごしています。題目の『対応力のないデザイナー』、そうです、私のことです。これからは刺激のあるテレワークの仕方も探求してみます。
 
( プロダクト動態デザイン部 デザインディレクター 坂田 功 )