HIEI 観光列車

Category:Train Date:2018

叡山電車の二つの終着駅に在る比叡山と鞍馬山は、古くから信仰の対象とされた霊峰である。 高い木立から射し込む木漏れ日と静寂な道行きには、大地の気やパワーのようなものがそこはかとなく漂う。観光列車「ひえい」は、この二つの御山の「神秘さ」 「時空を超えるダイナミズム」といったイメージを、「二つの焦点により構成されるシンボリックな図形」である楕円形に込め、先頭部に特徴的にあしらった。また、ひえいは観光列車として来訪者に向けて「洛北の魅力の見える化」と「叡山電車の路線の見える化」の役割を持ちつつ、地域住民にとっての日常の通勤通学移動としての役割も併せ持つ。

内装に配した楕円形窓は、特別感のある借景を提供しつつ、座席を窓間に着座位置が来るよう設計することで、背もたれを高く、座席数を最大限に確保した。またカーブを描くスタンションポールは、握りやすさと仕切りの機能とともに、進行方向に向けて車内を貫く楕円のトンネルを構成し、時間を超える旅を演出する。観光客に向けた非日常の提供と、地域住民の日常を支える通勤電車としての機能の両立を図った車両である。

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